夜咄や暗がりに斧立て掛けて 堀本裕樹

そーだ、句集に載っている句の感想を書くのも、きっとアリだ・・・。堀本さんなら、変な読みしてても読み手の自由って言ってくれると思うし・・・。ということで、堀本裕樹さんの句集『熊野曼陀羅』(文學の森)から、惹かれてやまない句を取り上げてみました。

 

夜咄や暗がりに斧立て掛けて 堀本裕樹

 

季語は「夜咄」で冬。「冬の夜になると、自然に炉辺に集まって、くつろいだ夜話に興ずること」(weblioより:自分が持っている歳時記には載ってないので・・・)。夜話に興ずる人たちの表情、明かりに照らされた楽しそうな顔と、暗がりにひっそりと置いてあるのに鈍く光る斧の刃紋(って言うのかな)のコントラスト、状況がぱっと浮かんできて、なんだか少し不吉な、どきどきするような、そんな気分にさせられました。なんで惹かれるのかなーと思ったのですが、たぶん物語のふくらみを感じさせるからなのではないでしょうか。

で、夜咄に興ずるにあたって、斧を立て掛ける理由を考えてみました。

  1. 夜咄の参加者の誰かが、山仕事とか薪割りをしてて、仕事を終えてからきたので、土間とかに立て掛けた
  2. 山小屋のような場所で、夜咄に集中したいので、危険な動物や暴漢に備えて護身用に置いてある
  3. 誰かが、全員が酔いつぶれたあとに皆殺しにしようとして隠している

ボクは断然3番目の説をとるわけですが(コラ)、不吉さとか緊張感とか、ほっこりした状況にある鋭いもの、話の辿り着く先がハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、そう考えるとなんだか少し恐ろしくて、でもこの先どうなるのか気になって、だからこの句に惹かれたんじゃないかな・・・と思います。

自分も、そんなふくらみのある句が作れるようになるといいな・・・と、目標にしたいと思っています。