平行線とミュージカル ~北大路京介さんの自由律俳句集より~

北大路京介さんの自由律俳句集、「硬」と「軟」がTwitterで案内されていたので、プリントさせていただきました。スゴつぶでの多作っぷりに圧倒されていましたし、いくつか拝見したことのある句もあり、楽しく読ませていただきました。それぞれ一句ずつ、感想を述べてみたいと思います。自由律はあまり読んだことがないので、変なこと言ってたらごめんなさいです。

 

いつか交わる平行線がある ~「硬」より

平行線が交わると聞いてまず思い浮かべたのは、非ユークリッド幾何学ですよね。あまり詳しくないので細かい言葉遣いはご容赦いただくとして、要は地球のような球とかの上で2本の直線をひくと、どこかで必ず交わるというやつ。この理屈で行くと、逆に交わらない線は引けないのであって、見方を変えるとまったく違う世界が見えてくるのだよなぁと思わされました(もう一度言いますが、細かいツッコミはなしで汗)。もうひとつは男女間の関係のこともあると思います。これも同じで、どんなに毛嫌いしても、どんなに気持ちが通わない人でも、完全な平行線なんて、引くことはできないのではないかなぁ・・・と思うのですよね。それが例えば「共感」という意味でも「好意」とかいう意味でも、やっぱり交わるところはどこかにあるという。『いつか交わる平行線「も」ある』と書かれていないことに、ポイントがあるのだと思います。それだと交わらない平行線もあることになるでしょうしね(普通は交わらないのだけど)。どちらかというと、暗に「必ず交わる」ということを示唆しているような気がするのです。この句、ありふれた言葉を使っているようで、実は意外と深いのだなっと思いました。

「硬」の中ではほかに、「負けるもんか卵でとじる」も好きです。

 

ミュージカル調で怒られている ~「軟」より

これ、たしかスゴつぶの放送の時に選ばれていた句ですよね。そのときかなりウケましたし、面白いなと思いました。放送中の評とかぶっているかもしれませんが、この句のポイントは、やっぱり「~ている」なんですよね。今まさに怒られている最中だと。「ミュージカル調で怒られてますよ僕」、と振り向いて報告されているのは、読者側の我々で。いやいやもっと反省してちゃんと怒られなさいよ、とツッコむのか、はたまた、それ聞いて思わず「プッ (* ̄ー ̄)くくく・・・やめろよそういうこと言うの、僕ら怒られてんだから・・・笑わすなよ・・・ぷ」なのか、それはこの句を読んだときのスタンスによると思いますが、ボクは後者ですw やめろってwww腹から声出てんじゃんセンセwwwよせって立ち上がって遠く見んなよwww・・・って感じですね。これは、読んでいる側を巻き込むかのような姿勢がありありと感じられて、ぐっと引き込まれるんだと思います。しかもごく自然ですよね。俳句って「共感」とか「共鳴」なんて言葉で「あるある感」(とはちょっと違うかもしれないけど)を出すことがあると思うのですが、これは「あるある」じゃなくて、ありえないところに連れていかれる飛躍が面白いんですよね。是非怒られてみたいです。いや、怒られているところで後ろで一緒に笑いをこらえたいです。

「軟」の中ではほかに、「ミス車内を選んでいる」も好きですね。すいません・・・はい、選びます(ヲイ)。

 

全編にわたって、渋いところからにやにやまで、楽しませていただきました。面白かったです(*’▽’) おまけ(?)のほうもいただきましたよ(*^^)v